日本の娯楽、エンタテインメント産業の中で、特に魅力的である産業は「パチンコ産業」であるといえます。過去のイメージから誤解をしている方もいらっしゃいますが、現在は産業規模としても非常に巨大であり、大きな可能性を秘めた業界です。イメージにとらわれずに現状を知ることで、是非パチンコ産業についての理解を深めていただきたいと思います。
価値観が多様化する現代において、休日など自由に使える時間、つまり「余暇」の過ごし方はより多様化しています。
余暇に対する支出が行われる市場を「余暇市場」といいます。レジャー白書によれば、余暇市場の総額は現在約79兆円に上り、日本の国家予算にも匹敵する規模になっています。
余暇市場におけるパチンコ産業の近年の市場規模は、約27~29兆円にて推移しています。これは余暇市場全体のうち、約3割ものシェアを占めています。近年のパチンコ・パチスロへの参加人口はおよそ1,500万人~1,800万人といわれ、単純に計算しても国民の7人に1人がパチンコ産業で余暇を楽しんでいることがうかがえます。

パチンコ参加人口自体は数年減少傾向にありましたが、近年ではメーカーが提供する良質なコンテンツと作り込まれた遊技機の導入があり、遊技者1人あたりの年間平均活動回数は増加しています。(グラフ:年間平均費用及び年間平均活動回数の推移)
高性能な遊技機の開発に伴い遊技機の販売価格は上昇し、パチンコ・パチスロ遊技機の市場規模は拡大しています。
良質なコンテンツを有し、ヒット機を生み出すメーカーがシェアの上位を占め、パチンコ・パチスロメーカーともに上位5社で全体の70%以上の販売シェア持つというメーカーニ極化の状況にあります。(グラフ:パチンコ・パチスロ機市場、遊技機販売台数の推移)



パチンコ産業は60年以上もの歴史があります。現代のパチンコの始まりは、パチンコ台の原型ともいえる1948年の正村ゲージの登場にさかのぼります。それまでの等間隔に釘が並ぶだけのパチンコは、およそ娯楽とは程遠いものでした。しかし、釘の配置に変化を持たせた正村ゲージの登場によって、娯楽性、技術介入性などが飛躍的に向上しました。正村ゲージは第一次パチンコブームを巻き起こし、以来、技術の進歩とともに「チューリップ」「フィーバー」などの魅力的な遊技機が人気をけん引し、幾度も日本にパチンコブームが訪れました。近年では、液晶画面が搭載されたパチンコが主流となっており、よりエンタテインメント性が高まっています。このように、パチンコ産業は歴史を積み重ね、世の中の人々に娯楽として根付いていきました。




パチンコは直径11mm、重さ5gの玉を使って遊びます。まずは、ハンドルを使って玉を打ち出します。打ち出された玉がスタートチャッカーと呼ばれる穴に入れば、台中央にある液晶でさまざまな演出が発生します。液晶で図柄がそろえば大当たりとなり、玉を増やすことができます。
パチスロは直径25mmまたは30mmのメダルを使って遊びます。コイン投入口にメダルを入れた後、スタートレバーを叩くとリールが回転します。遊技者はストップボタンを押してリールを止めます。止まったリールの図柄によってメダルが払い出され、メダルを増やすことができます。
遊技者は、これらの遊技によって得られた玉・メダルを、お好きな景品に交換することができます。
パチンコ・パチスロの楽しみは、玉やメダルを増やすことだけではありません。近年のパチンコ・パチスロには、アニメ、マンガ、ドラマ、映画など実に多様なコンテンツが登場しています。それらが液晶の中でドラマチックなストーリーや楽しい演出を繰り広げます。遊技者はパチンコ・パチスロを通じて、懐かしさを感じたり、ワクワク・ドキドキしたりといった感動と興奮の演出を楽しめるのです。
つまり、パチンコ産業はパチンコ・パチスロを楽しむお客様に快適な場を提供する「時間消費型レジャー」であり、魅力的なコンテンツを楽しむ「エンタテインメント産業」であるといえます。

メーカーは広くさまざまな年齢層に楽しんでいただくために、ハード、ソフト両面から開発を続けています。ハード面では、近年、液晶の大型化や画像チップの高性能化を受けて、より華やかな液晶演出を魅せることが可能になりました。一方、ソフト面では、演出の大部分を担うコンテンツの重要性が高まってきています。有力なコンテンツを活用し、企画・開発力のあるメーカーは次々とヒットを生み出しています。現在では、上位5社が占める販売シェアは約半数以上であり、メーカーの二極化という現象が起こっています。
遊技機販売シェア (2007年度)
| パチンコメーカー | 販売台数(台) | 販売シェア |
|---|---|---|
| 三洋物産 | 820,000 | 25.9% |
| SANKYO※1 | 724,756 | 22.8% |
| 京楽産業. | 510,000 | 16.1% |
| ニューギン | 204,000 | 6.4% |
| 大一商会 | 168,000 | 5.3% |
| 上位5社の占有率 | 76.5% | |
※1 SANKYOはBisty含む
| パチスロメーカー | 販売台数(台) | 販売シェア |
|---|---|---|
| サミー※2 | 380,688 | 21.8% |
| アルゼ※3 | 192,000 | 11.0% |
| SANKYO※1 | 169,156 | 9.6% |
| 大都技研 | 152,000 | 8.7% |
| 山佐 | 152,000 | 8.7% |
| 上位5社の占有率 | 59.8% | |
※2 サミーはロデオ、アイジーティー、トリビー、銀座、タイヨーエレックを含む
※3 アルゼはエレコ、ミズホ、メーシーを含む
パチンコホールは誰もが気軽にエンタテインメントを体感できる空間です。パチンコホールにはさまざまなパチンコ機やパチスロ機が並び、余暇としてパチンコ・パチスロを楽しむ人たちで溢れています。パチンコホールは、現状に満足することなく新規顧客の獲得のために、魅力的な遊技機の導入はもちろんのこと、明るく清潔な店内や丁寧な接客など、ソフトとハードの両面からさまざまな施策・サービスを展開しています。パチンコホールは、単に遊技機を提供するだけではなく、誰もが気軽に楽しめるエンタテインメント空間を提供すべく日々進化しているのです。
全国には1万3,585軒のホールがあります。総店舗数は年々減少傾向にあります。しかし、総設置台数はさほど減少していません。年々総店舗数は減少を続けているものの、1店舗あたりの総設置台数は増加しています。つまり、近年のパチンコホールの特徴として、店舗の大型化・チェーン店化が進んでいるといえます。

パチンコ産業は多くの業種で成り立っています。遊技機を製造するメーカー、遊技空間を提供するパチンコホール、遊技機をパチンコホールに販売する販売商社、台を構成するパーツを作っている部品・ソフトメーカー、そして設備を納入している付帯設備メーカーなどです。それ以外にも、ホール景品であるお菓子や各種グッズを提供している卸売業者やそれらを製造しているメーカー、新聞広告などを制作する制作会社、景品コーナーに出店する小売業者なども間接的に市場を形成する市場参加者といえます。このように、さまざまな業種によって構成され、同時に大きな雇用を生み出しているのがパチンコ産業です。

魅力的なコンテンツによる遊技機の人気によって、多様な派生ビジネスが生まれています。人気機種においては、ゲームソフトウェア化、使用音楽のCD化、キャラクターグッズ化などの数多くのコンテンツの展開があります。優れたコンテンツを活用できる産業であるため、さまざまな産業からの参入によって、単なるパチンコのみの産業ではなく、マルチにその魅力は広がる可能性を秘めています。
つまり、すでにこれだけ巨大な市場でありながら、まだまだ成長やビジネスチャンスが眠っているパチンコ産業は、大きな可能性があるといえるのです。
約27兆円を超えるパチンコ市場は、イメージとは裏腹に、パチンコホールの粗利率は約10%と非常に低い数値となっています。ユーザーが使用した金額の約90%は景品としてユーザーに還元されているからです。この還元率は他の市場に比べると非常に高い数値です。
さらに、粗利益のすべてがパチンコホールの純利益となる訳ではありません。パチンコホールの新店舗出店や改装費、新台入替費用、広告宣伝費などに使われ、それらを粗利益から引いた利益が純利益となります。
さまざまな産業でも、常にお客様を呼び続けることは非常に難しいことです。パチンコホールは、常にユーザーに来店いただくために、新台入替を頻繁に行います。この新台入替は「集客再投資」と考えられ、パチンコホールは集客力の高い新台を入れることで利益を生み出し、その利益の一部を再び新台購入への投資とすることで経営を行っています。

出所:
「パチンコ関連メーカーの動向とマーケットシェア2007年版」矢野経済研究所
「パチンコ参加実態調査2007」エンタテイメントビジネス総合研究所
「レジャー白書2007」財団法人 社会経済生産性本部