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フィールズの経営方針

現状分析に基づく将来を見据えた施策を展開し、循環型ビジネスモデルを通じて、より多くのIP(知的財産)の価値向上に取り組んでいます。 代表取締役社長(COO) 大屋 高志

「成長するビジネスモデル」の構築と運用

私たちは、将来を見据えた中長期的な経営課題として、強みとするPS(パチンコ・パチスロ)の領域のみならず多様なエンタテインメント領域において、秀でた知見やノウハウを有する企業とのリレーション構築や人材の確保などに取り組んできました。そして培ったネットワークや当社グループの機能拡充、人材の確保などを基盤に、2012年、IPを主軸に置いた「成長するビジネスモデル」を発表し、パートナー企業と連携して新たなIPの創出と創出したIPの育成を推進しています。

当社のビジネスモデルは、クロスメディア展開によって、IPそのものの価値向上を図る取り組みです。IPの価値向上のため、単純に複数のメディアに展開するのではなく、IPの世界観を確立し、その魅力をメディアによって高めるために、戦略的に映像化や商品化という多様なメディアを活用した展開を行います。

一つ例を挙げれば、「マジェスティックプリンス」というIPがあります。同IPは一つの世界観をもとに、コミックスとアニメで二つのストーリーを同時期にリリースし、その世界観を創りあげてきました。続いて、アニメの見どころの一つでもあったシューティングシーンをソーシャルゲームで展開し、さらなる価値向上を図っています。現在、次なる仕掛けにも着手しています。

新たなビジネスモデルの中で見えてきた課題

歴史が物語るように、メディアに依存する仕組みの多くは、進化を伴わなければ最終的に廃れてしまいます。私たちが描くビジネスモデルは、ゲームや遊技機を面白くするためにIPが存在するのではなく、IPそのものの魅力を高めるために各メディアを活用していくというものです。しかし、クリエイティブの現場でメディアに携わると、IPではなくメディアを優先しがちになります。現在まだ、組織としては、PSやゲームなどそれぞれ違う文化や土壌があるフィールドに、IPがブリッジとしてかかった段階です。縦割り組織の中で醸成されたそれぞれの文化や土壌を本質的に融合していくには、もう少し時間を要すると考えています。

例えば、前述の「マジェスティックプリンス」をソーシャルゲームでリリースしたとき、シューティングの要素を軸としましたが、アニメで考えるとシューティングの要素はシーンの1コマに過ぎません。つまり、シューティングゲームとして面白いものを創るだけでなく、作品の面白さを伝えるものでなくてはなりません。IPの力をもってメディアとしての競争力を高めていく過去の取り組みから進化し、メディアを活用してIPの価値を最大化していくことが現在のミッションであり、喫緊の課題です。

IP基軸のビジネスモデルにマッチした組織・風土を作る

こうした課題への対策も含め、今取り組んでいるのが企業風土の変革です。

まず、人材面では、IPプロデューサとして常にIPにプライオリティを置いて、物事を考えられる人材を採用・育成しています。IPプロデューサには、各分野で優れた才能を持った人材をまとめあげ、IPの創出から、価値最大化まで包括的に実現していくことを期待しています。IPプロデューサがリードする体制が機能してくると、IPの取得・保有・創出から育成、事業化まで一貫してコストを管理することが可能となり、どこでキャッシュを生み出し、そのキャッシュを使ってどこでリスクをとるか、といったことが俯瞰的に捉えられるようになります。またそうなると、メディアの形が変わったとしても、柔軟に対応できる組織になれると考えています。

次に、組織面では、ビジネスモデル全体を取締役が管理・監督し、執行役員が各事業部門を管掌する仕組みとしました。「成長するビジネスモデル」では、ビジネスモデル全体を俯瞰して、IPを育成していかなければなりません。仕組みづくりや基礎固めを積み上げてきた今、これまで事業部門を管掌してきた取締役はもう一段上のレイヤーに上がり、事業部門は新たなリーダーのもと、これまで以上に私たちの目指すビジネスモデルを推進していく体制としました。

IPプロデューサが増え、複数の優良IPが「成長するビジネスモデル」を通じて、各メディアを循環するようになると、リスクが逓減でき、構造的に収益力が上がります。

2015年3月期の事業方針

これまで築いてきた基盤をもとに、より強力にビジネスモデルを推進するため、2015年3月期は主に三つの施策に注力します。

まず一つ目は、ビジネスモデルの要である魅力的なIPをより多く創出すべく、キャラクターやストーリーを創出する軸となるコミックスのテコ入れを図ります。これまで以上にスピード感を持って、様々な手立てを仕掛けていく考えです。その一環として、2015年3月期第1四半期にはすでに、「月刊ヒーローズ」において新たに5作品を掲載し、9作品の単行本を発行しました。今後もこうした動きを加速させていきます。

二つ目は、創出したIPのクロスメディア展開で中核を担う映像化の取り組みです。複数の作品について、コミックスの動き出しに合わせ、映像化の話も持ちあがっていますが、いずれも企画段階に過ぎないため、こうした種をベストな形で具現化していくことが大きなテーマとなります。

三つ目は、「第3のメディア」の企画の推進です。各メディア固有の課題に取り組みつつ、クロスメディア展開において、IPの魅力を表現するという明確なミッションを遂行するための策を考案するということです。これは将来に向けて非常に大きな意味を持ちます。

株主・投資家の皆様へ

中長期的な視点で、IPを主軸に置いた循環型ビジネスモデルを推進していく中で、メディアの形態が変わる可能性も十分にあると認識しています。そのことを踏まえ、あまり既成概念をつくらず、都度適切な体制をもって、企業理念の実現に臨んでまいりたいと考えています。

今後もさらなる挑戦を続ける一方で、株主の皆様への配当原資の認識は最上位に置きつつ、取り組んでまいる所存です。飛躍への準備を整え、次なるフェーズへ移行していく当社にどうぞご期待ください。

株主・投資家の皆様をはじめとしたステークホルダーの皆様におかれましては、引き続きご支援とご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

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