財務・業績情報

決算概況・2021年3月期 決算概況

詳細は「2021年3月期 決算短信」をご覧ください。

  • 連結

連結経営成績 (%表示は対前期増減率)

(百万円) 2020年3月期 2021年3月期 増減率 (%)
売上高 66,587 38,796 △41.7
営業利益 713 △2,241 -
経常利益 939 △2,032 -
親会社株主に帰属する当期純利益 490 △3,452 -

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連結貸借対照表(要約)

(百万円) 2020年3月期
(2020年3月31日)
2021年3月期
(2021年3月31日)
増減額
資産の部
流動資産合計 50,580 39,147 △11,433
固定資産合計 13,736 13,223 △512
資産合計 64,317 52,370 △11,946
負債の部
流動負債合計 17,996 10,895 △7,101
固定負債合計 12,040 11,031 △1,009
負債合計 30,037 21,927 △8,110
純資産の部
純資産合計 34,279 30,443 △3,836
負債純資産合計 64,317 52,370 △11,946

連結キャッシュ・フロー計算書(要約)

(百万円) 2020年3月期 2021年3月期 増減額
営業活動によるキャッシュ・フロー △2,427 3,692 6,119
投資活動によるキャッシュ・フロー 876 △1,072 △1,949
財務活動によるキャッシュ・フロー △2,537 △2,835 △297
現金及び現金同等物に係る換算差額 △0 △0 0
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) △4,088 △215 3,872
現金及び現金同等物の期首残高 28,807 24,725 △4,081
新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額 6 - △6
現金及び現金同等物の期末残高 24,725 24,510 △215

経営成績等の概況

1.当期の経営成績の概況

①連結業績概況
当連結会計年度の業績につきましては、2021年2月10日付「業績予想修正に関するお知らせ」にて開示した業績予想通りに、概ね着地いたしました。

当連結会計年度における世界の社会経済環境は、新型コロナウイルスが経済全体や個人の生活に大きな影響を与えた、まさにコロナ禍の1年となりました。感染拡大防止のため多くの国でロックダウンが実施される等経済活動が停滞し、2020年の世界全体のGDP成長率は-3.3%となり、1930年代の大恐慌以来最悪の景気後退を余儀なくされました。一方で、各国政府が経済対策として財政出動や金融緩和による景気の下支えを図ったこと等により世界各国で株価が上昇し、2020年(1-12月)の米国NASDAQ総合指数騰落率が+43.6%となる等、世界全体の上場企業の株式時価総額は大きく増加しました。

日本国内においても、新型コロナウイルスの影響は同様に大きく、景況感は不透明な状況が続いています。それに連動し、総務省家計調査によれば総世帯の消費支出は2020年は前年比-6.5%、消費支出の中の「教養娯楽サービス」では前年比-33.1%となる等、一般生活者の方々の消費動向が大きく停滞しました。その一方で、テレワーク、オンラインショッピング、非接触型決済の浸透等、生活様式の変化が著しく進み、産業セクターにおいては、コロナ禍によるライフスタイルの変化の恩恵を受けた業種と、直接打撃を受けた業種とで、二極化が進みました。

パチンコ業界におきましては、政府の緊急事態宣言に応じてホールが休業や営業自粛を強いられる局面もありましたが、その後は万全の感染症対策を講じて営業を継続し、業界全体でクラスターは発生していない状況です。また、高齢者の遊技機会が減少する一方、若年層の遊技機会が増え、若者に適した遊技機が市場に浸透する傾向が見られました。但し、前述の通り一般生活者の方々の消費動向が大きく停滞する中、商品の販売への影響は大きく、当期末時点におけるホール軒数は8,063店舗(前年比647店舗減)、市場総設置台数は360万台(同22万台減)、市場総販売台数は、パチンコ81万台(前年比35万台減)、パチスロ43万台(同14万台減)、合計125万台(同49万台減)と、いずれも減少しました。

こうした状況の中、当社グループの主力事業であるパチンコ・パチスロ事業(以下、PS事業)では、政府の方針を遵守してテレワーク勤務を導入する等感染症対策を徹底しつつ、ホールのニーズにお応えする商品の販売に注力しました。しかしながら、市場の購買マインド低下や度重なる緊急事態宣言の影響により販売台数の伸び悩みや商品の販売スケジュールの延期を余儀なくされた結果、当期のパチンコ・パチスロ総販売数は9.5万台(前期は19.1万台)となりました。

IPビジネス領域については、グループ中期事業戦略に基づき、先ずは(株)円谷プロダクションと(株)デジタル・フロンティアの2社をグローバルなIP企業として育成し、そこで得られた知見や仕組みを次のステップで拡張・横展開していくという展望のもと進めておりますが、当期は両社において、これまでの水面下での戦略的取組みが目に見える形で現れる結果となりました。

当社グループの成長ドライバーとしてIPビジネスを担う位置付けの(株)円谷プロダクションは、ファン層に適した実写・アニメ等の映像作品を映画・テレビ・配信等を通じて国内外に提供して『ウルトラマン』ファンを拡大し、映像事業とライセンス事業の双方で収益化する中期事業戦略を推進しております。映像事業では、企画・脚本/庵野秀明氏、監督/樋口真嗣氏の映画『シン・ウルトラマン』の特報映像・特別ビジュアルを解禁し、現在、新たな公開時期を調整しております。また、NTTドコモ社との協業により、円谷プロ公式定額制デジタル・プラットフォーム・サービス『TSUBURAYA IMAGINATION』の提供を開始したほか、ライセンス事業領域においてはアパレル・食品等の大手企業とのパートナーシップを新たに獲得、海外事業領域においても中国市場中心に大きく利益に貢献する等国内外とも順調に推移いたしました。

PS事業とIPビジネスにおけるCG映像領域の中核企業である(株)デジタル・フロンティアでは、国内ゲーム会社を中心としたCG映像制作や、国内外からのVFX映像制作に継続して対応しました。また、世界最大級のストリーミングサービスを提供するNetflixと、 Netflixオリジナル作品において、複数年にわたりVFX制作及びバーチャル・プロダクションの映像制作リソースを提供する業務提携をいたしました。これは、国内企業において同社が初となります。

以上の結果、当期の連結業績は売上高38,796百万円(前年同期比58.3%)、営業損失2,241百万円(前年同期の営業利益713百万円)、経常損失2,032百万円(同経常利益939百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は3,452百万円(同親会社株主に帰属する当期純利益490百万円)となりました。


②次期の見通し
(今後の事業展開)
パチンコ業界におきましては、2018年の規則改正からおよそ3年半が経過し、足元では新たなゲーム性を搭載した遊技機の数々が市場に投入され、多様なゲーム性と適度な消費金額の枠内で遊びやすい遊技機がホールならびにファンから一定の評価を得ています。パチンコでは内規の変更等を受けて、1機種あたり3万台から5万台の販売が可能な遊技機の開発環境が整いつつあり、パチスロでも自主規制の見直し等により、ファンが安価で気軽に楽しめる遊技機の開発が可能となりつつあります。こうした動向から、今後の市場活性化が期待されています。
また、世界のコロナ禍をめぐる状況推移は、イギリス・アメリカ等先進諸国を中心にワクチン接種の急速な普及を牽引役として、ロックダウン等の多方面における規制緩和が進みつつあり、コロナ禍中に伸長したオンラインエンタテインメントだけでなく、従来型のエンタテインメントについても新しい生活様式に即した再成長に向けた明るい陽射しが差し込んでおります。

このような環境認識のもと、当社グループとしましては、アフターコロナ/ウィズコロナ時代に人々に求められる娯楽・余暇の在り方の変化を前向きにとらえ、企業理念である「すべての人に最高の余暇を」のもと、「PS事業」と「IP事業」の2つの大きな柱に事業ドメインを再構成いたします。そして、「成熟市場下での安定的なPS事業の基盤構築」と「IP企業へのシフト」を強くスピーディに推し進める新たな中期事業戦略を構築中です。

「PS事業」については、今後の環境変化に即した商品企画・開発、マーケティングプロモーション、販売、保守に至る活動プロセスの根本的な見直しを行い、そのプロセスをDX(デジタル・トランスフォーメーション)化していくことで、成熟市場においても効率的に収益を確保し、持続的な成長が可能な事業基盤を構築してまいります。

「IP事業」については、中期事業戦略に基づき、引き続き(株)円谷プロダクションと(株)デジタル・フロンティアの2社をグローバルなIP企業として育成することにフォーカスしてまいります。特に、円谷プロダクションについては、同社の中期事業戦略(2018~)に基づき仕込んできた「大型新規IPの開発、およびそのフランチャイズ化」「デジタル領域へのシフト」「中国・アジア・北米を中心とした海外展開」が進捗していることは前述の通りです。
これら世界的にもニーズがあり成長余力の大きな円谷プロダクションのIPを新たなビジネスモデルと共に育てることにフォーカスし、そこで得られた知見や仕組みを次のステップで拡張・横展開することによって、当社グループがIP企業にシフトしていく展望を持っております。

(第1四半期の状況)
当社第1四半期のPS事業におきましては、感染症拡大が落ち着いていた4月に納品を開始したパチンコ2機種『ぱちんこ GANTZ極』、『ぱちんこ ウルトラマンタロウ2』の販売が計約3.5万台と、順調に推移しております。また、現在パチンコ1機種、パチスロ1機種の販売を継続しているほか、第2四半期の納品に向けて、昨日(5月12日付)、パチンコ『P 宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』を発表いたしました。
IP事業におきましては、円谷プロダクション、デジタル・フロンティアともに順調に推移しております。特に円谷プロダクションにおいては、「グローバル展開」を実現する案件のリリースを近々予定しております。

(次期の見通しおよび中期経営計画の公表について)
国内においては4月25日から5月31日までの期間、東京都をはじめとする6都府県に3回目の緊急事態宣言が発出され、また現在、まん延防止等重点措置が8道県に適用されており、加えて独自の緊急対策を実施する自治体も頻出しており、ホールの営業に支障をきたしている現況となっております。さらに、今後の変異株拡大の行方、医療体制の強化維持、オリンピック・パラリンピック開催の有無、また広範なワクチン接種を経た来年の1月ごろの感染の状況、およびそれに伴う社会環境の変化等、当面の間、先行きを見通しづらい状況が続くことが見込まれます。
こうした中、当社グループの事業活動および経営成績を合理的に算定することが困難であることから、現時点では次期の業績予想を「未定」とし、合理的な算定が可能となった時点で速やかにお知らせすることといたします。あわせて、「成熟市場下での安定的なPS事業の基盤構築」と「IP企業へのシフト」の具体的な戦略を織り込んだ中期経営計画も、次期の業績予想の発表が可能となるタイミングにあわせて発表させていただきます。


③利益配分に関する基本方針および当期・次期の配当
当社は、企業価値の向上を経営の重要課題と位置付け、利益に応じた適正な配当を行うことを基本方針としてい ます。一方、市場環境の急激な変化に伴い、中長期的な視点で財務基盤の安定化を図り、収益拡大に向けた投資資 金の確保を優先することが、将来的な企業価値向上も含めた最大の株主還元につながると判断しています。具体的 な配当につきましては、2021年3月期の期末配当を1株につき10円とします。なお、本件につきましては、2021年6月16日に開催予定の第33回定時株主総会に付議する予定です。
次期の配当予想につきましては、連結業績予想の開示が可能となった時点で速やかに公表いたします。


※記載の数値は各社・各団体の公表値または当社推計によるものです。
※記載の商品名は各社の商標または登録商標です。

2.当期の財政状態の概況

  • 資産の部
    流動資産は、39,147百万円と前連結会計年度末比11,433百万円の減少となりました。これは主に売上債権の減少、仕掛品の減少によるものです。
    有形固定資産は、4,272百万円と前連結会計年度末比462百万円の減少となりました。これは主に建物及び構築物の減少によるものです。
    無形固定資産は、2,628百万円と前連結会計年度末比364百万円の減少となりました。これは主にのれんの減少によるものです。
    投資その他の資産は、6,322百万円と前連結会計年度末比313百万円の増加となりました。これは主に投資有価証券の増加によるものです。
    以上の結果、資産の部は52,370百万円と前連結会計年度末比11,946百万円の減少となりました。
  • 負債の部
    流動負債は、10,895百万円と前連結会計年度末比7,101百万円の減少となりました。これは主に仕入債務の減少によるものです。
    固定負債は、11,031百万円と前連結会計年度末比1,009百万円の減少となりました。これは主に長期借入金の減少によるものです。
    以上の結果、負債の部は21,927百万円と前連結会計年度末比8,110百万円の減少となりました。
  • 純資産の部
    純資産の部は、30,443百万円と前連結会計年度末比3,836百万円の減少となりました。これは主に利益剰余金の減少によるものです。

3.当期のキャッシュ・フローの概況

  • 連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ215百万円減少し、24,510百万円となりました。
    当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りです。
  • 営業活動によるキャッシュ・フロー
    営業活動の結果得られた資金は、3,692百万円(前年同期は2,427百万円の支出)となりました。これは主に税金等調整前当期純損失2,908百万円、売上債権の減少10,239百万円、仕入債務の減少6,003百万円、たな卸資産の減少1,569百万円、減価償却費873百万円、未払又は未収消費税等の増減701百万円などによるものです。
  • 投資活動によるキャッシュ・フロー
    投資活動の結果使用した資金は、1,072百万円(前年同期は876百万円の収入)となりました。これは主に固定資産の取得による支出586百万円、出資金の払込による支出260百万円などによるものです。
  • 財務活動によるキャッシュ・フロー
    財務活動の結果使用した資金は、2,835百万円(前年同期は2,537百万円の支出)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出5,329百万円、長期借入れによる収入2,990百万円、自己株式の取得による支出365百万円、配当金の支払331百万円などによるものです。