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Expert's View インタビュー

フィールズへの第三者評価

2010年6月25日

モーニングスター株式会社
記者 宮本 裕之

2006年に旧株式新聞社に入社。
記者として、個別企業やマーケット取材を担当。モーニングスターに転籍後は新興企業を中心に企業分析レポートを執筆。

フィールズ株式会社は、現在利益の大部分をPS事業が占めており、主力遊技機の投入時期や遊技機市場の動向に業績が大きく影響される特徴があります。ただ、独自のビジネスモデルを有し、進化を怠らない企業体質を持つ同社には短期的な変動はあっても、中・長期的には大きな成長が見込めると考えています。特に同社の強みであるコンテンツビジネスを拡大させている点は、今後PS事業だけに頼らない同社の姿勢の表れといえ、すでにその効果としてグループ事業ではコンテンツを中心とした事業間のシナジーにより、収益性が改善されつつあります。
同社のビジネスモデルの核となるのが優良IP(知的財産)で、その最たる例が「ヱヴァンゲリヲン」(以下ヱヴァ)です。「ヱヴァ」シリーズが同社にもたらした恩恵は計り知れませんし、今の「ヱヴァ」の社会現象を見ても、各分野で様々な経済効果を導き出す大きな要因となりました。今後において同社が持続的に成長するためには同シリーズに匹敵する優良IPの確立が重要な課題となっていますが、足元ではその動きが加速しているように見えます。
2010年に入り同社が保有する豊富なキャッシュを背景に、「ウルトラマンシリーズ」を有する株式会社円谷プロダクション、国内CG(コンピュータ・グラフィックス)制作大手の株式会社デジタル・フロンティアを子会社化しています。CGは魅力的なコンテンツを作り出すためには必要不可欠なツールです。さらに、株式会社小学館クリエイティブと共同で出版事業を手掛ける株式会社ヒーローズの設立も発表しており、ペーパーコンテンツから端を発し、新たな優良IPを創造・育成していく取り込みも行っていく方針です。この中から「ヱヴァ」に匹敵、もしくはそれを超える優良IPが誕生する可能性は十分あるでしょう。
現在のIPはPS事業向けが主体となっていますが、優良IPの源泉確保や加工技術の整備に伴い、今後はコンテンツのマルチユース化も進むと見られ、エンタテインメント事業を中心としたPS事業以外の収益拡大にもつながる公算が大きいでしょう。また、PS事業においても、設立当初は販売商社として設立された経緯がありメーカーへの依存が大きかったものの、その後はIPの取得、企画・開発の取り込みを順次行い、メーカーへの依存リスクを低減しています。今後は、製造組み立て以外の工程をすべて自社で行うファブレス(工場を持たない)モデルの強化に向けて、遊技機の映像ソフトウェア開発を行う株式会社F(エフ)の事業も本格化させる計画となっており、同社の理想とするファブレス化がさらに進むでしょう。
優良IPの拡大とファブレスモデルの確立という事業の両輪が整いつつある同社に、成長の余地は大きいと見られます。株主還元の一環である配当を重視している点や投資家に積極的に情報を開示するIRの姿勢は市場で高い評価を受けており、さらに、これからの企業活動の重要な要素となるCSR(企業の社会的責任)への取り組みに重きを置いている点も評価に値します。

(注)本第三者意見は、2010年6月25日に発刊した「2010年3月期 株主通信」にご寄稿頂いた内容となります。

モーニングスター株式会社 会社概要
当社は「中立・客観的立場から有益な金融情報を提供し、投資家の資産形成に役立つこと、投資家主権の確立に貢献すること」を目標としています。
国内外の投資信託及び株式を中心に、HPや日刊の株式新聞を通じ、企業情報や分析レポート等の情報を投資家の皆様に提供しています。