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Expert's View

フィールズへの第三者評価

2013年12月3日

写真:櫻井 英明

ストックウェザー株式会社
「兜町カタリスト」編集長
櫻井 英明

日興証券での機関投資家の運用トレーダー、「株式新聞Weekly編集長」などを経て、2008年7月から現職。
東京MX テレビの株式市場LIVE 中継「東京マーケットワイド」、ラジオNIKKEI「ザ・マネー」火曜レギュラー、木曜「櫻井英明の投資知識研究所」、金曜「投資知識研究所乱闘編 銘柄バトル」のレギュラーなど。主な著書に『待ってたぜ~この瞬間 やっぱり株は儲かる!』(明日香出版社)、『誰でもわかる!世界同時恐慌のすべて』(中経出版)、『日本の経済これからどうなるの?』(日本実業出版社)など。

フィールズはパチンコ・パチスロ市場を収益のメインフィールドにしている。したがって娯楽機関連の会社という認識が市場では当然ながら支配的になっている。しかし「すべての人に最高の余暇を」という企業理念からもうかがえるように決してパチンコ・パチスロだけに拘泥している訳ではないように思える。その見据える未来は、コンテンツ創造企業としての存在。「最高の余暇」=コンテンツを追い求めるという発想こそが原点にあるに違いない。

市場でしばしば使われるIP=Intellectual Property(知的財産)というキーワードそのものが同社の姿を表現している。山本英俊会長は「私たちはエンタテイメント業界でも類例のない、IPを主軸とした独自のビジネスモデルに挑戦している。コミックス・アニメ・映画/TVの世界でIPを創出し、循環させ、活用することでこれまでにない感動や驚きを体験できるサービスを提供していく」とコメントしている。つまり、パチンコ・パチスロは収益を生み出す一つのツールでありその収益こそが新たなIPを育成する源泉であるともいえよう。そして同社のIPの活動エリアはかなりの広がりを持っていることになる。

以前まだ上場前の同社の南麻布のオフィスを訪ねたことがある。たぶん今でいうIP部隊が常駐し、日夜新たなIPの検索や創造を目指していた姿が甦ってくる。同社の宝のひとつはこれらIPを創出する人材ということも言えよう。同社のエヴァンゲリオンの成功例は記憶に新しいところであるが、新たなヒーローは今でも生みだされている。新たなコンテンツを生み出しているのが、名前の通りの月刊誌「HERO’S」。同社が2011年に創刊したものだが、新たなファンを数多く創造している。例えば「ウルトラマン」ならぬ「ULTRAMAN」。ハヤタ隊員の息子がヒーローとして活躍するもので既に3冊の単行本となり累計販売部数は90万部に迫る勢いとなっている。日本の至宝とも称されるウルトラマンの再活性化と新生を担っていることになる。同社のコアコンピュタンスは、あくまでもヒーローやファンの創造。時間を経て生き続けるヒーローをパチンコ・パチスロ業界のみならず、エンタテイメントとして国内外のファンに届けることが同社の存在基盤なのである。

昨年5月に同社が発表した「成長するビジネスモデル」で表現されていることはパチンコ・パチスロに主軸をおいたビジネスモデルからIPを主軸においたビジネスモデルへの戦略転換を表明している。同社が目指しているのはコンテンツビジネスでの事業拡大なのである。一市場関係者としてココは見過ごしてはいけない部分であるといつも戒めている。また投資家の立場になってみるとココが一番見えにくい点なのかも知れない。だからこそ同社はIR活動を積極的に行い成長戦略や未来像を示しているのであろう。小さな努力の積み重ねがいずれは市場の認知度の向上に必ず役に立つものだと考えている。そしてこの部分も「フィールズの挑戦」の一環であるに違いない。

国策として株式市場で昨今話題になっている「クールジャパン(格好良い日本)」。経済産業省が主導した格好で日本のコンテンツを拡大する動きが進められている。アニメやフィギアや和食など多くのコンテンツで多くの企業がクールジャパンのキーワードの範疇に入っている。同社も間違いなく「クールジャパン」の一角を占めている。その未来像に期待したい。心に残るキャラクターやストーリーを創造してくれる企業は心に残る銘柄となってくれるに違いない。


(注)本第三者意見は、2013年12月2日に発刊した「2014年3月期 株主通信(中間)」にご寄稿頂いた内容となります。