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Expert's View

フィールズへの第三者評価

2015年6月30日

写真:沖汐 勇樹

バークレイズ証券株式会社
レジャー及びアミューズメントセクター担当
沖汐 勇樹

2012年1月、バークレイズ証券株式会社に入社。株式アナリストとしてレジャー及びアミューズメントセクターを担当する。
バークレイズ入社以前は、アバディーン投信投資顧問株式会社にてインベストメント・アナリストとして従事。
インディアナ大学大学院公共政策学部(SPEA)にてMPAを取得。

フィールズ(株)(以下、同社)は現在大きな転換点に差し掛かっているとみています。それは、遊技機分野を主力事業としつつ、従来より打ち出してきた知的財産(IP)の多面展開を基幹とする戦略が徐々に実を結びつつあるためです。2015年4月14日には東証一部への市場変更も行い、エンタテインメント企業として新たなステージへ差し掛かっていると考えています。

企業としての同社の強みは、1)主力事業である遊技機分野での競争優位性、 2)IPを自社で創出・多面展開できる能力、3)コンテンツホルダーとしての優位性、と考えています。

遊技機分野に関しては同社の主力事業であり、競争優位性の高い事業だと考えています。短期的には規制の影響もあり、やや不透明な市場環境が続く見込みですが、遊技機流通業として、競合他社がいない同社のユニークなビジネスモデル、営業力・販売力の強さ、日本中に張り巡らされた販売網などを考慮すれば、今後も同社の主力事業としての位置づけに変わりはないと考えます。

また、IPを自社で創出・多面展開できる能力も強みであると考えます。例えば、同社のコミック誌『月刊ヒーローズ』から産み出された作品はヒーローズIPとして、コミックス、映像、マーチャンダイジングなどの分野でクロスメディア展開されています。また、IPの価値向上のために有力な外部パートナーとのネットワークを持っていることも多面展開においては強みになると考えています。

加えて、同社はウルトラマンをはじめとした円谷プロのIPや他社との協業IPも含めて数多くのコンテンツを持っており、今後プラットフォームの多様化が進む市場環境下においては同社の競争優位性は高まると考えます。過去のエンタテインメント分野でのプラットフォームといえば、テレビ、書籍、専用ゲーム機など限られたものが中心となってきましたが、現在ではPC・スマートフォンの普及やテクノロジーの進化もあり、プラットフォームの多様化が急速に進んでいます。今後プラットフォームの多様化や遷移が更に進む中では、プラットフォームに依存しないコンテンツの重要性は益々高まってくるでしょう。コンテンツを持つ企業にとっては、プラットフォームの拡大は販路の拡大を意味し、より幅広い分野・顧客層へのアクセスによる収益機会の拡大に繋がると考えます。一方、コンテンツ・IPの創出には長い時間を要するため、すでに複数のコンテンツを持つ同社の競争優位性は高まるでしょう。外部環境でいえば、経済産業省もクールジャパン戦略の一環として日本のコンテンツの世界展開に積極的に取り組んでおり、同社にとっては追い風となる可能性があると考えます。

短期的には遊技機分野での規制の影響を見極める局面になると考えますが、中長期的な視点でのIP戦略の結実、エンタテインメント企業として新たなステージでの成長に注目したいと考えています。

*特定の企業に関する開示事項を含めたバークレイズ・リサーチの重要な開示事項についてはhttp://publicresearch.barclays.comをご参照下さい。


(注)本第三者意見は、2015年6月29日に発刊した「2015年3月期 株主通信」にご寄稿頂いた内容となります。