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Expert's View

フィールズへの第三者評価

2015年12月1日

写真:数土 直志

アニメ!アニメ!編集長
数土 直志

アニメ!アニメ!編集長。大手証券会社を経て、2004年にアニメ!アニメ!を設立。
2012年に運営サイトを(株)イードに譲渡。国内外のアニメ情報及びビジネスに関する取材・報道・執筆、アニメーションビジネスの調査・研究などを行う。

2010年に国がクールジャパン戦略を打ち出して以来“クールジャパン”の言葉がメディアなどを賑わすことが増えています。“クールジャパン”には日本のコンテンツや創造性の発信、そしてこれを基盤にした産業振興の意味が含まれています。これを企業に置き換えたときに、最も相応しい企業はどこなのか。その筆頭に、フィールズがあるのではないでしょうか。

フィールズは遊技機事業の大手として長年知られてきましたが、近年、そのビジネスモデルを大きく発展させています。マンガ、アニメーション、ゲーム、キャラクター、映画といったエンタテインメント分野で次々に新たな事業に取り組んでいます。ウルトラマンを擁する円谷プロダクションや、漫画誌「月刊ヒーローズ」の創刊、オリジナルロボットアニメ『マジェスティックプリンス』の製作など、短期間で総合エンタテインメント企業の体制を構築しました。

コンテンツを様々な分野で事業展開するメディアミックスが、大きなビジネスになることは広く知られています。その市場の魅力からコンテンツビジネスに新規参入する企業は少なくありません。

しかし、フィールズの新ビジネスはそうした多くの企業と一線を画しています。新規参入企業の多くが、既存の有力IP(知的財産)の活用や、すでにあるプロジェクトへの出資にとどまりがちなのに対して、フィールズはIPの創出に注力しているからです。自ら漫画を開発し、原作、ストーリー、キャラクターを生み出す。アニメーションや映像に展開し、認知度とビジネスを広げる。人気になったIPはさらにキャラクター商品やゲーム、パチンコ・パチスロなどに活用される。IPを創出したうえで、それを効率的に活用する仕組みをグループ内に構築しています。

さらに注目したいのは、IPを創り出すときのフィールズの一般志向、グローバル志向です。コンテンツビジネスには熱心なファンがいるジャンルに特化して、魅力的な作品を生み出すやり方もあります。一度ファンを掴めば継続的なビジネスが期待できますが、その広がりには限界があります。

しかし、フィールズのIPはウルトラマンがそうであるように、誰にでも愛される作品を生み出すこと、一般性が目指されています。例えば「月刊ヒーローズ」が掲げる“ヒーロー”も、誰にでも愛されるアイコンです。そうしたIPを日本だけでなく、さらに海外にも届けようとしています。

一般性を求めるビジネスはボリュームが大きくなるだけに、リスクも拡大します。しかし、新しいIPを継続的に世に届けることと、開発するIPの数を増やし、ヒットが出る可能性をあげることで、フィールズは全体としてのリスクを低減しています。漫画雑誌「月刊ヒーローズ」がIPの企画開発の場となっていることも重要です。

ここでようやく冒頭の話に戻ります。“クールジャパン”とは、日本ならではの価値観を創り出し、世に届けることです。現在のフィールズが目指している新しいカルチャーの創出とその発信、産業における活用、そしてグローバルの展開は、まさに“クールジャパン”と重なります。“クールジャパン”を体現する企業、それがフィールズなのではないでしょうか。


(注)本第三者意見は、2015年12月1日に発刊した「2016年3月期 株主通信(中間)」にご寄稿頂いた内容となります。