フィールズの事業活動レビュー

余暇をめぐる環境

労働時間の推移

厚生労働省「毎月勤労統計調査」によると、2014年の日本の年間総実労働時間(事業所規模30人以上、1人平均)は、前年に続く減少となる1,788時間(前年比0.2%減)となりました。所定内労働時間も、2年連続減少の1,634時間(同0.5%減)となる一方、所定外労働時間は3年連続増加の154時間(同3.4%増)となりました。労働時間の短いパートタイマーの比率が拡大しているため、労働者全体の労働時間は短縮しましたが、正社員の労働時間は増える結果となりました。
なお2009年は、前年秋の金融危機の影響により、製造業を中心に、所定内・所定外労働時間がともに大幅に減少しました。

労働時間の推移

グラフ:労働時間の推移

出典:厚生労働省「毎月勤労統計調査」より作成

家計消費の動向

総務省「家計調査」によると、2014年の日本の勤労者世帯(農林漁家世帯を除く、2人以上世帯、平均世帯人員3.39人)1世帯当たりの可処分所得(1か月間、年平均)は423,907円(前年比0.5%減)、家計消費支出(1か月間、年平均)は318,650円(同0.02%減)となりました。これにより、可処分所得に対する家計消費支出の割合を示す平均消費性向は75.2%(同0.4ポイント増)と、3年連続の増加となりました。
2014年は消費税が8%に引き上げられたことによる景気の停滞を受け、可処分所得、家計消費支出ともに減少となりました。

家計消費の動向

グラフ:家計消費の動向

出典:総務省「家計調査」より作成

余暇市場の動向

(公財)日本生産性本部「レジャー白書2015」によると、2014年の日本の余暇市場は、72兆9,230億円(前年比0.6%増)となりました。特に観光・行楽部門の中で、国内旅行やホテル、遊園地・テーマパークなどの国内観光・行楽市場が6兆7,560億円(同4.5%増)と、2年連続で4%超の伸び率となりました。これは、円安の影響で訪日外国人観光客が増加し、ホテルが1兆2,010億円(同11.0%増)となったほか、参加体験型の行楽ニーズの高まりから遊園地・テーマパークは7,410億円(同2.3%増)と、過去最高を更新したことなどによるものです。

また、参加体験型の消費は音楽関連市場にも波及し、ライブ・コンサートなどの音楽会の市場規模は3,460億円(同13.1%増)に伸び、CD市場(レンタルを含む)を初めて上回りました。
引き続き、参加体験型の行楽ニーズが高まると見て、レジャー各社は集客策を打っています。
なお、余暇市場の約3割を占めるパチンコ・パチスロ市場について、(公財)日本生産性本部は過去に遡って市場規模推計の見直しを行いました。新たな推計値によると、パチンコ・パチスロ市場は、24兆5,040億円(同2.0%減)となりました。

余暇市場の推移

グラフ:余暇市場の推移

出典:(公財)日本生産性本部「レジャー白書2015」より作成

コンテンツ市場の動向

経済産業省「コンテンツ産業の現状と今後の発展の方向性(2015年7月)」によると、日本のコンテンツ産業は海外展開を通じた成長を見込める有望な産業であり、加えて製造業などの非コンテンツ産業への経済波及効果が大きいと言われています。そして、今後の持続的な成長のためには、日本のコンテンツの価値を活かし、海外からの収益を獲得していくことが重要とされています。

(一財)デジタルコンテンツ協会「デジタルコンテンツ白書2014」によると、日本の映画・アニメ・テレビ番組・ゲーム・書籍などのコンテンツ産業の市場規模は11兆9,094億円(前年比0.4%増)で、米国に次いで世界第2位の規模となっています。近年は、国内人口のピークアウトなどにより成長は横ばいとなっていますが、今後は経済産業省の推進するクールジャパン戦略などにより、海外展開を通じた成長が期待されます。

コンテンツ市場の推移

グラフ:コンテンツ市場の推移

出典:(一財)デジタルコンテンツ協会「デジタルコンテンツ白書2014」より作成

図:コンテンツ市場(11兆9,094億円)の内訳

パチンコ・パチスロ市場の動向

1. 参加人口動向

(公財)日本生産性本部「レジャー白書2015」によると、2014年のパチンコ・パチスロ参加人口(推計)は1,150万人となり、1,000万人を割り込んだ前年から180万人増の回復となりました。これは景気回復により、余暇市場全体の参加人口が押し上げられたことに加え、パチンコ・パチスロ市場において、低貸玉営業が拡大していることなどが起因したものと見られています。

参加人口動向/パチンコホール軒数

グラフ:参加人口動向/パチンコホール軒数

出典:(公財)日本生産性本部「レジャー白書2015」、
警察庁「平成26年中における風俗関係事犯の取締り状況等について」より作成

2. パチンコホール軒数、遊技機設置動向

警察庁発表の統計データによると、2014年の全国のパチンコホール軒数は、11,627店舗(前年比266店舗減)となりました。設置台数は459万台(同1.3万台減)となったものの、1店舗当たりの設置台数は395.4台(同7.6台増)となり、引き続き店舗の大型化が進む傾向となっています。

遊技機設置動向

グラフ:遊技機設置動向

出典:(公財)日本生産性本部「レジャー白書2015」、
警察庁「平成26年中における風俗関係事犯の取締り状況等について」より作成

3. 遊技機販売動向

(株)矢野経済研究所「2015年版 パチンコ関連メーカーの動向とマーケットシェア」によると、2014年度のパチンコ機の販売台数は201万台(前年度比2.4%減)、パチスロ機の販売台数は123万台(同11.1%減)となりました。これにより遊技機販売市場規模は、パチンコ市場6,437億円(同1.1%減)、パチスロ市場4,256億円(同10.3%減)となり、合算で1兆693億円(同5.0%減)となりました。
パチスロ機については、2014年9月に型式試験方法が変更(※次項<規制の動向>参照)されたため、各メーカーにおいて販売スケジュールの見直しが実施されたことが大きな変動要因となりました。

遊技機販売動向

グラフ:遊技機販売動向

出典:(株)矢野経済研究所「2015年版 パチンコ関連メーカーの動向とマーケットシェア」より作成

4. 規制の動向

2014年9月、(一財)保安通信協会(保通協)によるパチスロ機の型式試験において、試験方法が変更されました。従前の、任意の試射方法において出玉率下限値(20分の11以上=55%以上)を満たすという条件から、最も出玉率の低くなる試射方法において、同条件を満たすよう変更されました。
これを踏まえ同月、パチスロメーカー組合団体の日本電動式遊技機工業協同組合(日電協)により、ペナルティ機能の搭載不可、及びAT/ART機能の主基板移行に関する自主規制が発表されました。これにより、2015年12月以降は、娯楽性の高い新基準によるパチスロ機のみ販売・新台設置が可能となります。
一方、パチンコ機については2015年3月、警察庁の意向を受け、パチンコメーカー組合団体の日本遊技機工業組合(日工組)により、大当たり確率の下限値を320分の1(現行は400分の1)とする自主規制が発表されました。これにより、現行のいわゆる「MAXタイプ」などは2015年10月末を販売・新台設置の期限とし、2015年11月以降は、新基準によるパチンコ機のみ販売・新台設置が可能となります。

パチンコ・パチスロ販売・設置期限

図:パチンコ・パチスロ販売・設置期限

ゲーム市場の動向

(株)KADOKAWA・DWANGO「ファミ通ゲーム白書2015」によると、2014年の日本の家庭用ゲーム市場は、ハード・ソフト合計で4,038億円(前年比9.5%減)となりました。一方、オンラインプラットフォームのゲーム市場(スマートフォン/タブレット端末向けゲームアプリ、フィーチャーフォン、PCオンラインゲーム)は、7,886億円(同12.9%増)と拡大しました。これにより、ゲーム市場規模は過去最高の1兆1,924億円(同4.2%増)となりました。

なかでも、オンラインプラットフォームのゲーム市場のうち、ゲームアプリ(スマートフォン/タブレット端末向けゲームアプリ及びフィーチャーフォン向けのSNSプラットフォームで動作するもの)の市場規模は7,154億円(同17.9%増)と、国内ゲーム市場の約6割を占める規模となり、市場規模拡大をけん引しました。

ゲーム市場動向

グラフ:ゲーム市場動向

2014年のゲーム市場内訳

グラフ:ゲーム市場内訳

出典:(株)KADOKAWA・DWANGO「ファミ通ゲーム白書2015」より作成

玩具市場の動向

(一社)日本玩具協会の発表によると、2014年度の日本の玩具市場は7,367億円(前年度比9.0%増)と、過去10年で最高の規模となりました。また、周辺分野として発表されたカプセル玩具の市場規模は319億円(同14.7%増)、同じく玩菓は659億円(同17.0%増)でこちらも大幅な伸びとなりました。
好調の要因は、小児を中心に社会的ブームとなったキャラクターの関連商品がヒットしたほか、世界中で記録的大ヒットとなったアニメ映画の関連商品が人気を集めたことによります。
これらに共通して見られるように、玩具の周辺分野としてカプセル玩具や玩菓、またはテレビゲームなど、玩具の関連市場を含めた幅広い展開が相乗的に人気を向上させる傾向にあります。

玩具市場規模

グラフ:玩具市場規模

出典:(一社)日本玩具協会 発表データより作成

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