フィールズ デジタルアニュアルレポート2016

事業活動レビュー

連結財務ハイライト

主要財務指標6年サマリー

  2011年3月期 2012年3月期 2013年3月期 2014年3月期 2015年3月期 2016年3月期
経営成績(百万円):   前期比
増減率(%)
  前期比
増減率(%)
  前期比
増減率(%)
  前期比
増減率(%)
  前期比
増減率(%)
  前期比
増減率(%)
売上高 103,593 56.2 92,195 ▲11.0 108,141 17.3 114,904 6.3 99,554 ▲13.4 94,476 ▲5.1
売上総利益 35,129 30.6 31,330 ▲10.8 33,279 6.2 33,812 1.6 28,468 ▲15.8 25,480 ▲10.5
売上総利益率(%) 33.9   34.0   30.8   29.4   28.6   27.0  
営業利益 13,136 61.7 8,527 ▲35.1 10,314 21.0 9,791 ▲5.1 4,743 ▲51.6 1,411*1 ▲70.4
売上高営業利益率(%) 12.7   9.2   9.5   8.5   4.8   1.5  
経常利益 13,684 76.3 8,661 ▲36.7 10,268 18.6 9,765 ▲4.9 5,491 ▲43.8 1,380 ▲74.9
売上高経常利益率(%) 13.2   9.4   9.5   8.5   5.5   1.5  
親会社株主に帰属する当期純利益 7,520 128.6 5,991 ▲20.3 4,720 ▲21.2 5,370 13.7 3,018 ▲43.8 118 ▲96.1
売上高当期純利益率(%) 7.3   6.5   4.4   4.7   3.0   0.1  

*1 2016年3月期より「関連会社等より収受する業務受託料等」の計上箇所を変更いたしました。

  2011年3月期 2012年3月期 2013年3月期 2014年3月期 2015年3月期 2016年3月期
財政状況(百万円):   前期比
増減
  前期比
増減
  前期比
増減
  前期比
増減
  前期比
増減
  前期比
増減
総資産 78,971 ▲2,357 93,601 14,630 106,628 13,026 104,869 ▲1,758 110,316 5,447 92,478 ▲17,838
純資産 47,021 5,834 51,555 4,533 55,098 3,543 58,753 3,654 60,246 1,493 58,291 ▲1,954
自己資本 46,779 5,714 51,071 4,291 54,559 3,487 58,279 3,720 59,492 1,212 57,304 ▲2,188
有利子負債 1,834 ▲395 1,660 ▲172 1,052 ▲609 743 ▲308 4,065 3,321 11,423 7,357
キャッシュ・フロー(百万円):   前期比
増減
  前期比
増減
  前期比
増減
  前期比
増減
  前期比
増減
  前期比
増減
営業活動による
キャッシュ・フロー
8,005 ▲424 10,015 2,010 13,570 3,554 16,322 2,752 ▲9,086 ▲25,408 13,353 22,439
投資活動による
キャッシュ・フロー
▲4,356 ▲3,344 ▲4,798 ▲441 ▲6,263 ▲1,465 ▲8,018 ▲1,754 ▲6,297 1,720 ▲2,191 4,106
財務活動による
キャッシュ・フロー
▲3,915 ▲1,227 ▲2,565 1,349 ▲2,277 288 ▲2,018 258 1,624 3,643 5,214 3,590
フリー・
キャッシュ・フロー
3,649 ▲3,769 5,217 1,568 7,307 2,088 8,303 997 ▲15,384 ▲23,687 11,162 26,546
1株当たりデータ(円)*2                        
当期純利益 226.44   180.45   142.27   161.83   90.97   3.58  
純資産 1,408.53   1,539.04   1,644.15   1,756.27   1,792.83   1,726.88  
配当金 50   50   50   50   60   50  
主要経営指標(%):                        
ROE(自己資本当期純利益率) 17.1   12.2   8.9   9.5   5.1   0.2  
ROA(総資産経常利益率) 17.1   10.0   10.3   9.2   5.1   1.4  
自己資本比率 59.2   54.6   51.2   55.6   53.9   62.0  

*2 2012年10月1日付で、普通株式1株につき100株の割合で株式分割をしており、過去に遡って当該株式分割を考慮した遡及計算を行っています。

こちらから、主要財務指標(連結)をチャートジェネレーターでご覧いただけます。

業績レビュー

連結業績の状況

2016年3月期の連結業績は、下の表の通りです。前期から引き続き、当社のIP展開先メディアとして最大の市場規模である遊技機業界における規制等が当社業績に影響を及ぼす結果となりました。

経営成績(百万円): 2015年3月期 2016年3月期 2017年3月期
通期実績 前年比 通期実績 前年比 通期見通し 前年比
売上高 99,554 86.6% 94,476 94.9% 115,000 121.7%
売上総利益 28,468 84.2% 25,480 89.5%
対売上高比 28.6% 27.0%
営業利益 4,743 48.4% 1,411 29.6% 2,000 141.7%
対売上高比 4.8% 1.5%
経常利益 5,491 56.2% 1,380 25.1% 2,000 144.9%
対売上高比 5.5% 1.5%
親会社株主に帰属する当期純利益 3,018 56.2% 118 3.9% 1,000 842.7%
対売上高比 3.0% 0.1%

直近の遊技機業界における規制等の説明

2014年8月に警察庁より業界団体に対し、パチスロ遊技機において型式試験方法の一部変更を、およそ2週間後より適用する旨が伝えられました。
これにともない、パチスロ遊技機の仕様について、設計の見直しを要する複数の要件が業界団体より矢継ぎ早に発表され、それぞれ新基準機の適用開始日や旧基準機の販売期限が設けられました。
また時期を重ね、パチンコ遊技機においても、2015年3月に業界団体より「射幸性抑制に向けた取り組み」が発表され、同様に複数の要件について新基準機の適用開始日や旧基準機の販売期限が設けられました。
これらにより、試験適合数の大幅な低下や、販売期限に合わせた販売集中および期限直後の急激な販売の落ち込みなど、市場は混乱をきたしました。

こうしたなか当社においても、複数のブランドを取り扱う流通商社として各提携メーカーと協議を重ね、新たな仕様の検討や開発および販売のラインアップの練り直しなど、対応と対策に追われました。
その結果、前期はパチスロ遊技機5機種を、当期はパチンコ・パチスロ遊技機合わせて計2機種を次期へ延期することとなりました。

パチスロ規制動向

図:遊技機業界における規制

パチンコ規制動向

図:遊技機業界における規制

資産、負債および純資産の状況

資産の部は、前期末から17,838百万円減少し、92,478百万円となりました。これは主に、遊技機販売に係る売上債権の減少等により、流動資産が前期末から18,079百万円減少したためです。

負債の部は、前期末から15,884百万円減少し、34,186百万円となりました。これは主に、遊技機販売に係る仕入債務の減少等により、流動負債が前期末から15,963百万円減少したためです。

純資産の部は、前期末から1,954百万円減少し、58,291百万円となりました。これは主に、利益剰余金が前期末から1,872百万円減少したためです。

(百万円)

2015年3月末 2016年3月末 増減額
流動資産 71,014 52,934 ▲18,079
有形固定資産 12,197 11,447 ▲749
無形固定資産 4,490 3,746 ▲743
投資その他の資産 22,614 24,348 1,734
資産合計 110,316 92,478 ▲17,838
2015年3月末 2016年3月末 増減額
流動負債 45,773 29,809 ▲15,963
固定負債 4,296 4,376 79
純資産 60,246 58,291 ▲1,954
負債純資産合計 110,316 92,478 ▲17,838

キャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フローは、13,353百万円(前期9,086百万円の支出)となりました。これは主に遊技機販売に係る売上債権の減少36,663百万円、仕入債務の減少22,828百万円、法人税等の支払3,382百万円などによるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは、▲2,191百万円(前期6,297百万円の支出)となりました。これは主に貸付けによる支出7,121百万円、その他の関係会社有価証券の償還による収入3,110百万円、貸付金の回収による収入2,502百万円などによるものです。

財務活動によるキャッシュ・フローは、5,214百万円(前期1,624百万円の収入)となりました。これは主に短期借入れによる収入7,400百万円、配当金の支払1,990百万円などによるものです。

これらの結果、フリー・キャッシュ・フローは、11,162百万円となりました。

(百万円)

2015年3月期 2016年3月期 増減額
営業活動によるキャッシュ・フロー ▲9,086 13,353 22,439
投資活動によるキャッシュ・フロー ▲6,297 ▲2,191 4,106
財務活動によるキャッシュ・フロー 1,624 5,214 3,590

詳細については「2016年3月期 決算短信」および「2016年3月期 有価証券報告書」をご参照ください。

事業概況

コミック

IP創出の源泉であるコミック分野では、書籍や雑誌などの紙媒体市場の縮小が進む一方で、スマートフォンやタブレットなどのデバイスを活用した電子書籍の市場が堅調に拡大しています。

出版市場の動向

(一財)デジタルコンテンツ協会「デジタルコンテンツ白書2016」によると、書籍販売は7,420億円(前年比1.7%減)となり、小幅な落ち込みにとどまりましたが9年連続のマイナス成長となりました。ミリオンセラーを達成したのは、『火花』が唯一となりました。

雑誌販売は、7,801億円(同8.4%減)となり18年連続のマイナス、過去最大の落ち込みとなりました。雑誌市場は1年で約720億円減少しました。

電子書籍は1,594億円(同24.4%増)と拡大しました。フィーチャーフォンやPC向けが減少する一方で、新たなプラットフォーム向けがそれらの減少幅を大きく上回りました。また、電子雑誌も242億円(同66.9%増)と大きく拡大しました。

グラフ:出版市場の動向
グラフ:電子書籍/電子雑誌の市場動向
出典:
(一財)デジタルコンテンツ協会「デジタルコンテンツ白書2016」より作成

2016年3月期は、引き続きコミック誌「月刊ヒーローズ」を通じてヒーローIPの創出を進め、新たに4作品の連載を開始しました。また、同誌で創出したIPの映像化プロジェクトを進めるとともに、ゲーム、パチンコ・パチスロなどへのクロスメディア展開を推進しました。加えて、グローバル展開の一環として中国での電子コミックの配信を開始しました。
現在、引き続きヒーローIPの創出に注力し、2016年6月末までに累計62作品を創出してきました。また、電子コミックの配信プラットフォームにおいては、国内での配信拡充はもとより中国をはじめ、海外での展開も加速させています。

新規連載作品

クロスメディア展開の主な事例

中国の電子書籍プラットフォームにて配信開始

2016年3月より、中国移动通信(チャイナ・モバイル)グループの運営するプラットフォーム「咪咕动漫」にて、鉄腕アトム誕生までの物語を描いた『アトム ザ・ビギニング』や、島本和彦による『ヒーローカンパニー』のほか、同誌で連載中の作品を含む計13作品を配信しています。さらに、2016年7月には童石の運営する「大角虫漫画」での配信を開始するなど、グローバル展開が着実に進んでいます。

ヒーローズコミックス作品 中国電子コミック配信

映像

IPの付加価値および認知度を高める映像分野では、DVDやBDなどのビデオソフト販売の減少傾向が続いています。しかしながら、SVOD(Subscription Video On Demand:定額制動画配信)などの新たなプラットフォームの誕生により、国内外において飛躍的な市場規模拡大が予測されています。

動画市場の動向

(一財)デジタルコンテンツ協会「デジタルコンテンツ白書2016」によると、動画は4兆3,655億画(前年比0.7%増)となりました。内訳では、ネットワーク配信、映画、テレビ放送関連、ステージが増加、パッケージは引き続きは減少となりました。

ネットワーク配信(フィーチャーフォン含む)は、1,410億円(同12.4%増)と大きく伸長しました。2010年以降、海外事業者や携帯キャリアの新規参入、プラットフォーム事業者の戦略により、低価格化、定額化、マルチデバイス化、コンテンツの充実が図られ、市場は動画コンテンツのコアなファン層からすそ野を広げてきました。さらに、海外市場で先行するSVOD(Subscription Video On Demand:定額制動画配信)の日本市場参入などを契機に、動画配信への認知が高まるなか、新たな参入や事業提携が活発化しました。

グラフ:動画市場の動向
出典:
(一財)デジタルコンテンツ協会「デジタルコンテンツ白書2016」より作成
グラフ:世界のSVOD市場予測
出典:
Digital TV Researchより作成

2016年3月期は、『ウルトラマンシリーズ』の最新作として『ウルトラマンX』を放送しました。併せて、次作『ウルトラマンオーブ』の放送開始に向け、放送枠をキッズの接触機会の多い枠へ変更するなど各種取り組みを推進しました。また、アニメーションにおいて、テレビやWEB配信などを通じて4作品を展開しました。
現在、映像展開による認知度の向上とともに、マーチャンダイジング展開を進めるなど、クロスメディア展開によるIPの価値向上に注力しています。とくに『ウルトラマンシリーズ』は、SVOD事業者と協業した映像展開を図るなど、グローバルを見据えた諸施策を推進しています。

主な放送・公開作品

ゲーム

IPの収益基盤の一つであるゲーム分野では、家庭用ゲームの市場規模が縮小傾向にあるものの、ソーシャルゲーム市場を中心としたオンラインプラットフォームの拡大が参加人口の増加を牽引し、堅調に推移しています。

ゲーム市場の動向

カドカワ(株)「ファミ通ゲーム白書2016」によると、2015年の国内家庭用ゲーム市場は、ハード・ソフト合計で3,601億円(前年比10.8%減)となりました。一方、オンラインプラットフォームのゲーム市場(スマートフォン/タブレット向けゲームアプリ、フィーチャーフォン、PCオンラインゲーム)は、9,989億円(同26.7%増)と拡大しました。これにより、国内ゲーム市場規模は過去最高の1兆3,590億円(同14.0%増)となりました。

グラフ:ゲーム市場の動向
出典:
カドカワ(株)「ファミ通ゲーム白書2016」より作成

2016年3月期は、有力IPを活用した新規タイトルや新たなIPの創出に向けた原案の企画・開発を進め、『タワー オブ プリンセス』など3タイトルのサービスを開始しました。また、既存タイトルにおいては、認知度向上に向けた積極的な広告展開やサービス品質向上に向けた改修などに取り組みました。
現在、収益性やゲーム性を改善したタイトルのファン拡大に向けて、積極的な広告展開を行うほか、海外事業者へのライセンス展開も実施するなど、新たなパートナーシップ体制の構築に努めています。

タイトル例

ライブエンタテインメント

IPの認知拡大ならびにロイヤリティの醸成などを担うライブエンタテインメント分野では、音楽コンサートならびにステージパフォーマンス(演劇、ミュージカル、歌舞伎/能・狂言など)が堅調に推移し、市場規模が拡大しています。

ライブエンタテインメント市場の動向

(一財)デジタルコンテンツ協会「デジタルコンテンツ白書2016」によると、2015年のライブエンタテインメント市場は5,119億円(前年比20.1%増)となり、高い伸び率となりました。

内訳では、ステージ入場料による収入は1,714億円(同11.3%増)となり、コンサート入場料による収入は3,405億円(同25.2%増)といずれも伸長し、特にコンサートは規模・伸び率ともに大きく伸長し、8年連続の成長となりました。

グラフ:ライブエンタテインメント市場動向
出典:
(一財)デジタルコンテンツ協会「デジタルコンテンツ白書2016」より作成

2016年3月期は、ウルトラマンシリーズを活用した体感型のライブエンタテインメントショーとして『ウルトラヒーローズ THE LIVE アクロバトル クロニクル』を公演しました。国内主要都市である東京、大阪、福岡に加え、海外では香港で公演しました。
現在、『ウルトラヒーローズ THE LIVE アクロバトル クロニクル 2016』を発表し、2016年9月に大阪公演、12月に名古屋公演、2017年1月に東京公演を予定しています。当社グループでは今後も、ライブエンタテインメントショーの国内での積極展開ならびに東南アジアを中心とした海外開催に向けて企画開発を進めていきます。

『ウルトラヒーローズ THE LIVE アクロバトル クロニクル』の様子
公式サイト

ライセンス

IPの商品化権および版権で構成されるキャラクタービジネス市場は、定番キャラクターの新たな活用や大人向け衣料品へのライセンス展開など、国内外で新市場開拓に向けた動きが活性化しています。

キャラクタービジネス市場の動向

(株)矢野経済研究所「キャラクタービジネスに関する調査(2016年)」によると、2015年度のキャラクタービジネス市場規模は2兆4,282億円(前年度比0.6%増)とほぼ横ばいながらもプラスとなりました。

商品化権市場は大きなシェアを占める玩具が苦戦したことで、全体ではマイナスとなりましたが、大人向けに商品の強化を進めている衣料品や服飾雑貨などの分野はアニメなどの登場人物をファッションモデルに見立てたアパレル関連の取り組みが奏功し、好調でした。
版権市場は定番キャラクターのリブランディング(ブランドの再構築)強化やセールスプロモーションにおけるキャラクターの積極活用を推進したことにより拡大基調となりました。

グラフ:キャラクタービジネス市場動向
出典:
(株)矢野経済研究所「キャラクタービジネスに関する調査(2016年)」より作成

商品化権…商品に付帯してキャラクターを使用する権利。小売金額ベースにて算出。
版権…出版権、広告宣伝やイメージキャラクターとしての使用権など。契約金額ベースにて算出。

2016年3月期は、IPビジネスの領域拡大および新たなライセンスビジネスの確立に向けて、コンセプチュアル・ライセンス『A MAN of ULTRA』を立ち上げました。当ブランドは、アパレル、雑貨、ステーショナリー、インテリア、フード、音楽など、従来のキャラクター商品の枠を超え、ライフスタイル全般をターゲットとしています。
また当ブランドは、2016年6月に「日本ブランド・ライセンス大賞」においてグランプリを受賞し、今後もさらに展開を加速させていく予定です。

コンセプチュアル・ライセンス『A MAN of ULTRA』
公式サイト

パチンコ・パチスロ

IPの収益基盤であるパチンコ・パチスロ分野では、当期の遊技機販売市場は、新基準への移行などの影響からヒットが生まれにくい状況になり、市場全体の販売台数も前年同期を下回り推移しました。

パチンコ・パチスロ市場の動向

参加人口動向

(公財)日本生産性本部「「レジャー白書2016」によると、2015年のパチンコ・パチスロ参加人口(推計)は1,070万人となり、前年から80万人減少しました。

参加人口1,720万人と発表された2009年から減少傾向が続き、2013年には1,000万人を割り込む970万人にまで減少しました。2014年は180万人増の1,170万人と5年ぶりに増加し、2015年再び減少に転じました。

グラフ:参加人口動向/パチンコホール軒数
出典:
(公財)日本生産性本部「レジャー白書2016」、警察庁「平成27年中における風俗関係事犯の取締り状況等について」より作成
パチンコホール軒数/遊技機設置動向

警察庁発表の統計データによると、2015年の全国のパチンコホール軒数は、11,310店舗(前年比317店舗減)となりました。パチンコ・パチスロ機の合計設置台数は前年より2万台減の458万台となったものの、1店舗あたりの設置台数は9.5台増の404.9台となり、引き続き店舗の大型化が進む傾向となっています。

グラフ:遊技機設置動向
出典:
警察庁「平成27年中における風俗関係事犯の取締り状況等について」より作成
遊技機販売動向

(株)矢野経済研究所「2016年版 パチンコ関連メーカー動向とマーケットシェア」によると、2015年度のパチンコ機の販売台数は188万台(前年度比6.6%減)、パチスロ機の販売台数は96万台(同21.5%減)となりました。これにより販売市場規模は、パチンコ市場6,130億円(同6.0%減)、パチスロ市場3,697億円(同13.5%減)となり、合算で9,827億円(同9.0%減)となりました。

2015年9月にパチスロ型式試験方法が変更されたことに端を発した業界団体による一連の自主規制により、各メーカーにおいて開発・販売スケジュールの見直しが実施されたことが大きな変動要因となりました。

グラフ:遊技機販売動向
出典:
(株)矢野経済研究所「2016年版 パチンコ関連メーカーの動向とマーケットシェア」より作成

2016年3月期は、7ブランド17機種の販売を行い、拡販に努めました。その結果、パチスロ機の販売台数は126千台(前年同期比29千台増)となりましたが、パチンコ機の販売台数は162千台(同140千台減)となり、総販売台数は289千台(同110千台減)となりました。
引き続き、商品力の強化、流通商社としてのサービスの拡充、ファン人口の拡大に向けた諸施策を推進し、ヒーローズIPや他社有力IPを活用したゲーム性・エンタテインメント性の高い商品の販売に注力していきます。

マーケットデータ

余暇をめぐる環境

労働時間の推移

厚生労働省「毎月勤労統計調査」によると、2015年の日本の年間総実労働時間(事業所規模30人以上)は1,784時間(前年比0.1%減)となり3年連続の減少となりました。所定内労働時間は1,630時間(同0.0%増)となり、昨年までの2年連続減少からほぼ横ばいに転じました。また、所定外労働時間は155時間(同0.3%減)と昨年までの3年連続増加から、微減に転じました。引き続き、パートタイム労働者の比率が増加していることから、労働者全体の労働時間は微減ながら減少傾向となっています。

※前年比などの増減率は、指数等により算出されており、実数で計算した場合と必ずしも一致しません。また、2015年1月に調査事業所の抽出替えを行ったことにともない、指数、増減率が過去に遡って改訂されています。そのため前年比はグラフ内の実数値で計算した場合と必ずしも一致しません。

グラフ:労働時間の推移
出典:
厚生労働省「毎月勤労統計調査」より作成

家計消費の動向

総務省「家計調査」によると、2015年の勤労者世帯1世帯当たりの可処分所得は427,447円(前年比0.8%増)と、昨年に比べ3,540円の増加に転じました。一方、家計消費支出(1カ月間、年平均)をみると、2015年は、 2014年の消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動による減少幅は縮小したものの,夏場の天候不順の影響などもあって、315,428円(同1.0%減)と、2年連続の減少となり ました。
なお、可処分所得に対する家計消費支出の割合を示す平均消費性向は73.8%(同1.4ポイント減)と、3年ぶりに減少に転じました。

※前年比は、物価変動を考慮した実質値のため、グラフ内の実数値で計算した場合と必ずしも一致しません。

グラフ:家計消費の動向
出典:
総務省「家計調査」より作成

余暇市場の動向

(公財)日本生産性本部「「レジャー白書2016」によると、2015年の日本の余暇市場は、72兆2,990億円(前年比1.0%減)となりました。市場規模が突出して大きいパチンコ・パチスロを除くと、同1.2%増となり、3年連続のプラス成長となりました。これは国内観光分野の堅調な伸びが続き、外食、スポーツ用品が活況となったことによるものです。

スポーツ部門は4兆240億円(同1.9%増)となり、スポーツ用品やスポーツ観戦の好調により、近年の回復基調がより鮮明になりました。

趣味・創作部門は8兆1,170億円(同1.0%減)となり、カメラ・ビデオカメラ、書籍・雑誌販売の落ち込みにより、5年連続で縮小しています。しかしながら、電子出版、定額制音楽配信・有料動画配信サービスは存在感を増しています。

グラフ:余暇市場の推移
出典:
(公財)日本生産性本部「レジャー白書2016」より作成

娯楽部門は49兆5,670億円(同1.5%減)となり、パチンコ・パチスロが減少し厳しい状況となった一方、競馬・競輪・競艇が堅調、宝くじ・スポーツくじ、外食が好調となっています。

観光・行楽部門は10兆5,910億円(同0.6%増)となり、ホテルは3年連続過去最高を更新、遊園地・テーマパークが2年連続過去最高を更新、そのほか国内旅行、鉄道・航空が堅調なことから、4年連続の増加となりました。

コンテンツ市場の動向

(一財)デジタルコンテンツ協会「デジタルコンテンツ白書2016」によると、日本の映画・アニメ・テレビ番組・ゲーム・書籍などのコンテンツ産業の市場規模は12兆505億円(前年比0.4%増)となりました。

「映像」は、ネットワーク配信、ステージ、映画とテレビ放送関連が増加する一方、パッケージは引き続き減少し、4兆3,655億円(同0.7%増)となりました。

「音楽・音声」は、コンサートが8年連続の成長と好調が続き、音楽配信がネットワーク配信の大幅な増加とフィーチャーフォンの減少から微増、パッケージは前年並みを維持、カラオケ、ラジオ関連サービスが減少した結果、ほぼ前年並みの1兆3,861億円(同3.7%増)となりました。

グラフ:コンテンツ市場の推移
出典:
(一財)デジタルコンテンツ協会「デジタルコンテンツ白書2016」より作成

「ゲーム」は、オンラインゲーム(フィーチャーフォン向けを除いたPC・スマートフォン向けゲーム)が1兆円を上回ったものの伸び率は小幅となり、パッケージ、アーケードゲーム、フィーチャーフォン向けが引き続き減少傾向となった結果、1兆7,026億円(同0.9%減)となり、2009年以来6年ぶりに減少に転じました。

「図書・新聞・画像・テキスト」は、電子書籍や電子雑誌が大きく拡大する一方、書籍販売は9年連続、雑誌販売は18年連続のマイナス成長となった結果、3兆6,769億円(同2.9%減)となりました。

グラフ:コンテンツ市場の動向(映像)
グラフ:コンテンツ市場の動向(音楽・音声)
グラフ:コンテンツ市場の動向(ゲーム)
グラフ:コンテンツ市場の動向(図書・新聞・画像・テキスト)
出典:
(一財)デジタルコンテンツ協会「デジタルコンテンツ白書2016」より作成

出版市場の動向

(一財)デジタルコンテンツ協会「デジタルコンテンツ白書2016」によると、書籍販売は7,420億円(前年比1.7%減)となり、小幅な落ち込みにとどまりましたが9年連続のマイナス成長となりました。ミリオンセラーを達成したのは、『火花』が唯一となりました。

雑誌販売は、7,801億円(同8.4%減)となり18年連続のマイナス、過去最大の落ち込みとなりました。雑誌市場は1年で約720億円減少しました。

電子書籍は1,594億円(同24.4%増)と拡大しました。フィーチャーフォンやPC向けが減少する一方で、新たなプラットフォーム向けがそれらの減少幅を大きく上回りました。また、電子雑誌も242億円(同66.9%増)と大きく拡大しました。

グラフ:出版市場の動向
グラフ:電子書籍/電子雑誌の市場動向
出典:
(一財)デジタルコンテンツ協会「デジタルコンテンツ白書2016」より作成

動画市場の動向

(一財)デジタルコンテンツ協会「デジタルコンテンツ白書2016」によると、動画は4兆3,655億円(前年比0.7%増)となりました。内訳では、ネットワーク配信、映画、テレビ放送関連、ステージが増加、パッケージは引き続きは減少となりました。

ネットワーク配信(フィーチャーフォン含む)は、1,410億円(同12.4%増)と大きく伸長しました。2010年以降、海外事業者や携帯キャリアの新規参入、プラットフォーム事業者の戦略により、低価格化、定額化、マルチデバイス化、コンテンツの充実が図られ、市場は動画コンテンツのコアなファン層からすそ野を広げてきました。さらに、海外市場で先行するSVOD(Subscription Video On Demand:定額制動画配信)の日本市場参入などを契機に、動画配信への認知が高まるなか、新たな参入や事業提携が活発化しました。

グラフ:動画市場の動向
出典:
(一財)デジタルコンテンツ協会「デジタルコンテンツ白書2016」より作成
グラフ:世界のSVOD市場予測
出典:
Digital TV Researchより作成

ゲーム市場の動向

カドカワ(株)「ファミ通ゲーム白書2016」によると、2015年の国内家庭用ゲーム市場は、ハード・ソフト合計で3,601億円(前年比10.8%減)となりました。一方、オンラインプラットフォームのゲーム市場(スマートフォン/タブレット向けゲームアプリ、フィーチャーフォン、PCオンラインゲーム)は、9,989億円(同26.7%増)と拡大しました。これにより、国内ゲーム市場規模は過去最高の1兆3,590億円(同14.0%増)となりました。

グラフ:ゲーム市場の動向
出典:
カドカワ(株)「ファミ通ゲーム白書2016」より作成

ライブエンタテインメント市場の動向

(一財)デジタルコンテンツ協会「デジタルコンテンツ白書2016」によると、2015年のライブエンタテインメント市場は5,119億円(前年比20.1%増)となり、高い伸び率となりました。

内訳では、ステージ入場料による収入は1,714億円(同11.3%増)となり、コンサート入場料による収入は3,405億円(同25.2%増)といずれも伸長し、特にコンサートは規模・伸び率ともに大きく伸長し、8年連続の成長となりました。

グラフ:ライブエンタテインメント市場動向
出典:
(一財)デジタルコンテンツ協会「デジタルコンテンツ白書2016」より作成

キャラクタービジネス市場の動向

(株)矢野経済研究所「キャラクタービジネスに関する調査(2016年)」によると、2015年度のキャラクタービジネス市場規模は2兆4,282億円(前年度比0.6%増)とほぼ横ばいながらもプラスとなりました。

商品化権市場は大きなシェアを占める玩具が苦戦したことで、全体ではマイナスとなりましたが、大人向けに商品の強化を進めている衣料品や服飾雑貨などの分野はアニメなどの登場人物をファッションモデルに見立てたアパレル関連の取り組みが奏功し、好調でした。
版権市場は定番キャラクターのリブランディング(ブランドの再構築)強化やセールスプロモーションにおけるキャラクターの積極活用を推進したことにより拡大基調となりました。

グラフ:キャラクタービジネス市場動向
出典:
(株)矢野経済研究所「キャラクタービジネスに関する調査(2016年)」より作成

商品化権…商品に付帯してキャラクターを使用する権利。小売金額ベースにて算出。
版権…出版権、広告宣伝やイメージキャラクターとしての使用権など。契約金額ベースにて算出。

玩具市場の動向

(一社)日本玩具協会の発表によると、2015年度の国内玩具市場は8,003億円(前年比1.0%減)となりました。過去10年で最高の売り上げとなった前年実績にほぼ近い水準で推移しました。また、周辺分野として発表されたカプセル玩具の市場規模は316億円(同0.9%減)、玩菓の市場規模は520億円(同21.1%減)といずれも減少しました。

2015年度は、トレーディングカードゲームの人気が復活したのに加え、ドールハウスや人形玩具など定番商品が売り上げを伸ばしました。また、昨年の小児向けキャラクター関連商品のヒットの反動により、男児キャラクター、ぬいぐるみ、雑貨、小物玩具などが減少しました。

グラフ:玩具市場規模
出典:
(一社)日本玩具協会 発表データより作成

パチンコ・パチスロ市場の動向

参加人口動向

(公財)日本生産性本部「「レジャー白書2016」によると、2015年のパチンコ・パチスロ参加人口(推計)は1,070万人となり、前年から80万人減少しました。

参加人口1,720万人と発表された2009年から減少傾向が続き、2013年には1,000万人を割り込む970万人にまで減少しました。2014年は180万人増の1,170万人と5年ぶりに増加し、2015年再び減少に転じました。

グラフ:参加人口動向/パチンコホール軒数
出典:
(公財)日本生産性本部「レジャー白書2016」、警察庁「平成27年中における風俗関係事犯の取締り状況等について」より作成
パチンコホール軒数/遊技機設置動向

警察庁発表の統計データによると、2015年の全国のパチンコホール軒数は、11,310店舗(前年比317店舗減)となりました。パチンコ・パチスロ機の合計設置台数は前年より2万台減の458万台となったものの、1店舗あたりの設置台数は9.5台増の404.9台となり、引き続き店舗の大型化が進む傾向となっています。

グラフ:遊技機設置動向
出典:
警察庁「平成27年中における風俗関係事犯の取締り状況等について」より作成
遊技機販売動向

(株)矢野経済研究所「2016年版 パチンコ関連メーカー動向とマーケットシェア」によると、2015年度のパチンコ機の販売台数は188万台(前年度比6.6%減)、パチスロ機の販売台数は96万台(同21.5%減)となりました。これにより販売市場規模は、パチンコ市場6,130億円(同6.0%減)、パチスロ市場3,697億円(同13.5%減)となり、合算で9,827億円(同9.0%減)となりました。

2015年9月にパチスロ型式試験方法が変更されたことに端を発した業界団体による一連の自主規制により、各メーカーにおいて開発・販売スケジュールの見直しが実施されたことが大きな変動要因となりました。

グラフ:遊技機販売動向
出典:
(株)矢野経済研究所「2016年版 パチンコ関連メーカーの動向とマーケットシェア」より作成
直近の遊技機業界における規制等の説明

2014年8月に警察庁より業界団体に対し、パチスロ遊技機において型式試験方法の一部変更を、およそ2週間後より適用する旨が伝えられました。
これにともない、パチスロ遊技機の仕様について、設計の見直しを要する複数の要件が業界団体より矢継ぎ早に発表され、それぞれ新基準機の適用開始日や旧基準機の販売期限が設けられました。
また時期を重ね、パチンコ遊技機においても、2015年3月に業界団体より「射幸性抑制に向けた取り組み」が発表され、同様に複数の要件について新基準機の適用開始日や旧基準機の販売期限が設けられました。
これらにより、試験適合数の大幅な低下や、販売期限に合わせた販売集中および期限直後の急激な販売の落ち込みなど、市場は混乱をきたしました。

こうしたなか当社においても、複数のブランドを取り扱う流通商社として各提携メーカーと協議を重ね、新たな仕様の検討や開発および販売のラインアップの練り直しなど、対応と対策に追われました。
その結果、前期はパチスロ遊技機5機種を、当期はパチンコ・パチスロ遊技機合わせて計2機種を次期へ延期することとなりました。

パチスロ規制動向
図:遊技機業界における規制
パチンコ規制動向
図:遊技機業界における規制

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